さまざまなマーケティング施策を実施しているにも関わらず、目標数値に達しない、パフォーマンスが上がらないとの悩みはありませんか?
現代のユーザーの意識は以前より多様、複雑に変化してきており、かつて有効であったマーケティング施策であっても十分な効果が得にくくなってきたというのがよく聞かれる話です。
今後もパフォーマンスを継続的に高めていくには、時代に即したマーケティング手法を取り入れていくべきだというのは疑いの余地がありません。
そこで今回の記事では、アンバサダーマーケティングとは何か、効果やメリット・デメリットも含めて解説します。
そもそもアンバサダーとは
アンバサダーとは、もともとは“大使”という英語であり、現在のマーケティングにおいては商品・サービスの情報を発信するファンのことです。
具体的に言うと商品・サービスに興味や好意を持ち、各種SNSなどで口コミや商品情報などを自発的に発信する応援者のことを指しています。
アンバサダーマーケティングとは
アンバサダーマーケティングとは、アンバサダーからの情報発信を活かす比較的新しいマーケティング手法のことです。
1人の消費者として商品・サービスの情報を発信してもらい、閲覧ユーザーからの認知の獲得や興味・関心の喚起を目的とします。
今、アンバサダーマーケティングが注目されている理由
アンバサダーマーケティングが注目されている理由の根底には、時代の流れによるユーザーの意識変化があります。
現代はほとんどの人がスマートフォンを持ち、SNSや情報メディアで情報を収集する時代です。
日々多くの情報を受け取る人々の中で、一般的な「広告」への関心は薄れていると言われています。
他方で、強いリアリティがあり、共感・親近感を抱ける消費者の声によってこそ、購買が判断されるようになりました。
そこで広告に代わるマーケティング手段として、アンバサダーマーケティングが台頭してきました。
アンバサダーマーケティングとインフルエンサーマーケティングの違い
「アンバサダーマーケティング」は「インフルエンサーマーケティング」と共通する部分がありますが、次の2点で異なります。
違い1:情報発信者のフォロワー数や影響力
明確な違いとしてあげられるのが、情報発信者のフォロワー数や影響力の強さです。
インフルエンサーは「影響力を持つ人」のことであり、SNSで多数のフォロワーを獲得していることが条件となります。
しかしアンバサダーは「情報発信を行うファン」を指すため、フォロワー数が少なく、影響力が低くともなり得ます。
とはいえ、中には多くのフォロワーを抱えるインフルエンサー自身がアンバサダーとして活動しているケースも多くあるのであくまで傾向として捉えておくのがよいでしょう。
違い2:活用目的
2つのマーケティング手法は活用目的も異なります。
インフルエンサーマーケティングにおいては、商品・サービスの認知獲得が主たる目的です。
しかしアンバサダーマーケティングは認知を高めるより、質の高いファンの獲得による資産形成を目的とする傾向があります。
つまり、すでにファンであるアンバサダーが発信する情報を活かし、次なるファンを育てるのが目的と言えるでしょう。
アンバサダーマーケティングのメリット
アンバサダーマーケティングはどのようなメリットを持つのでしょうか。
具体的なメリットを6つの観点から解説します。
メリット1:HPやSNSなどに流入が増える(フォロワーが増える)
1つ目のメリットは、自社サイトやSNSなどへの流入アップが期待できることです。
アンバサダーによる商品・サービスへのポジティブな情報を閲覧した人は、企業・商品・サービスへの関心を持つことになります。
そしてその商品を調べるために企業のサイトに訪問したり、SNSアカウントをフォローしたりするという行動が発生します。
結果的に自社サイトやSNSへの流入数が増え、フォロワー数が増加しやすくなります。
メリット2:ポジティブな情報配信を行えるユーザーを確保できる
アンバサダーマーケティングには、ポジティブな情報を発信するユーザーを確保できるメリットもあります。
商品・サービスに対して熱心なファンは、タグ付け投稿などにより、普段から積極的に情報を発信している傾向が強いです。
これにより企業からの発信では届かなかったターゲット層にも情報を届けられるようになります。
ポジティブな情報配信を行うユーザーは、長期的なマーケティング効果を発揮する企業にとって大変心強い存在です。
メリット3:アンバサダーから有益なフィードバックをもらえる
情報発信だけでなく、有益なフィードバックをもらいやすいこともメリットのひとつです。
一般のユーザーよりも熱量の高いファンの声は、一見ユーザーのそれと比較してより本質的なものであること予想されます。
単純な消費者に対するアンケートや調査などでは聞けない意見が出されることも少なくありません。
熱心なファンであるからこそ気づける、有益なフィードバックを得やすくなるのは大きなメリットです。
メリット4:発信する情報の質が高い
発信する情報の質が高いこともメリットとしてあげられます。
熱心なファンは商品・サービスや企業について徹底的に調べて、多くの情報を得ているはずです。
また商品・サービスを利用した密度の濃い感想なども発信してくれるでしょう。
1人のファンが発する「生の声」は、新たなファンを獲得する契機となります。
メリット5:広告感が出にくい
企業からの広告に比べ、「広告感」が出にくくなることもアンバサダーマーケティングの大きなメリットです。
一般的なユーザーの中には広告感の強い宣伝を警戒したり、敬遠したりし、消費者からの口コミで購買を判断する人もいます。
その分、消費者による情報は、企業の広告に警戒心を持つ層からも受け入れられやすくなるはずです。
メリット6:大型インフルエンサーを起用するより、コストを抑えられる
インフルエンサーマーケティングに比べて、アンバサダーマーケティングの方が低費用で実現できる傾向です。
フォロワー数の多いインフルエンサーを起用すると、1回の投稿費用が数十万~数百万円に上ることもあります。
しかしアンバサダーはそもそも自社のファンであるがため、インフルエンサーを起用するよりもコストを抑えられる可能性が非常に高いです。
アンバサダーマーケティングのデメリット
アンバサダーマーケティングにはメリットばかりでなく、次のようなデメリットもあります。
デメリット1:アンバサダーを確保すること自体が難しい
アンバサダーマーケティングでは、質の高いアンバサダーを確保する難しさがデメリットとなります。
SNS上で探すには、実際に自社商品・サービスを利用しているファンであるか確認することが必要です。
さらに自社商品・サービスのイメージが崩れることがないか、対象人物のその他の投稿も確認しなければなりません。
企業に損失を与えない質の高い情報を、定期的に発信するファンを探すことは簡単ではないでしょう。
デメリット2:アンバサダーが関心を失ってしまい離れてしまう
アンバサダーを見つけたとしても、商品・サービスへの関心を失ってしまうリスクがあります。
アンバサダーマーケティングの効果は、アンバサダーの商品・サービスへの興味・関心により成り立つものです。
商品・サービスへの関心が失われると、SNSなどの投稿はなくなり、マーケティングとして成立しなくなります。
アンバサダーマーケティングの流れ
アンバサダーマーケティングはどのように実践されるか、流れについて見ていきましょう。
STEP1:アンバサダーを探す・集める
まずはアンバサダーの候補を探します。
ブログやSNSで自社商品・サービスに関する投稿を検索して探す方法が一般的です。
その他にも自社の会員や一般公募で募ることもあります。
STEP2:アンバサダーの選別を行う
アンバサダー候補がある程度集まったら、人材の選別を行います。
アンバサダーの選び方
アンバサダーの選び方のポイントは3つです。
商品・サービスへの知識と熱量を持ち、良質な投稿を定期的に行なえ、有益なフィードバックを挙げられる人を選別してください。
SNS活動に意欲的であり、企業にフィードバックを届けられる人材なら関係を長期的に構築できるからです。
また企業側に偏ることなく、1人の消費者としての意見・感想を述べられることも重要です。
STEP3:アンバサダーの熱量を高める&育成
選別が終わったら、熱量を高めるための育成を行います。
アンバサダーを主軸としたイベントやコンテンツを企画することで熱量を高め、積極的な情報発信を促しましょう。
アンバサダーマーケティングの注意点
アンバサダーマーケティングを実施する際の注意点は、人材の選別に慎重になることです。
自社商品・サービスのターゲットに即した像の人物を選ぶことが基本ですが、フォロワーの属性もターゲットに近いのが理想でしょう。
ただしフォロワー数よりも反応率を重視するほうが成功しやすくなります。
フォロワー数に対して反応率の高い情報発信者は、有益で質の高い投稿を行っていると考えられるためです。
アンバサダーマーケティングの成功事例
それでは最後に、アンバサダーマーケティングの成功事例をご紹介します。
ネスカフェ
ネスレ日本では「ネスカフェアンバサダー」の採用により10万人のファンを獲得しました。
アンバサダーはネスレの会員を対象とした公募で選出されます。
採用された人にはアンケートへの協力と写真の投稿を条件とし、使用料無料のマシンをオフィスに提供。
募集を大々的に展開したところ、口コミなどを通して急速に情報が拡散されました。
ワークマン
情報発信に加え、製品開発・モニター・アンケートなど、多面的にアンバサダーと活動をするのがワークマンです。
アンバサダーはブロガーやライター、Youtuberなど、すでに特定の分野に対する高い知見を持つ人の中から選出されます。
協力の返礼としてアンバサダーのブログやYoutubeへのリンクを公式サイトに掲載。
アンバサダーは自身の活動を広められ、ワークマンは事業への協力を得られるため双方にとってメリットのある仕組みです。
DHCブランドアンバサダー
※2021年4月1日をもって終了
DHCではアンバサダーが情報を発信し、対象商品が購入されるとポイントが付与されるサービスを実施していました。
いわゆるアフィリエイトシステムに近く、付与されたポイントは換金可能だったためアンバサダーのモチベーションもアップしたことでしょう。
DHCブランドアンバサダーサービスは2021年4月1日をもって終了しました。
しかし、インセンティブによりアンバサダーマーケティングの効果をより高めたひとつの事例といえます。
アンバサダーマーケティングとは時代の流れに沿った新たなマーケティング手法
このページを読んでいただくことでアンバサダーマーケティングとはどのようなものか、効果やメリット・デメリットなどがご理解いただけたと思います。
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